屋根・雨漏りの調査員のブログ

屋根・雨漏りの調査員、神谷昭範です。仕事であり、趣味である屋根・雨漏り調査などからリフォーム・メンテナンスに関するお役立ち情報を誠実にわかりやすく書いています。

【ニチハ】パミール屋根のメンテナンス方法は? 次こそ、安心で高耐久な屋根をお選びください!

お施主さまから、

『太陽光パネルを設置しようと業者さんに頼んだら、

「お宅はパミール屋根だから設置できないよ」と言われました。

よく見たら、屋根の色が白くまだらになっています。

パミール屋根はどうしたらいいですか?・・・』

パミール屋根のメンテナンスについてご相談がありました。

 

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パミール屋根については、他にもいろいろ話があります。

・隣の化粧スレート屋根とパミール屋根は何が違うの・・・

・10年も経たない内に屋根から何か落ちてくる・・・

・釘に問題があって錆びるので、屋根材が落下するらしい・・・

・塗装業者から再塗装できないと言われた・・・

・太陽光パネルが設置できない・・・

 

お施主さまにとって、大切なご自宅を守る屋根です。

とっても不安だと思います。

そこで、パミール屋根の裏実情にも詳しい屋根プロが考える、

パミール屋根のお勧めメンテナンス方法~をご紹介いたします。

 

 

そもそもパミール屋根とは?

 

パミール屋根材は化粧スレート系無石綿屋根材(厚さ約5㎜)です。

製造販売元は窯業系サイディングのトップメーカーであるニチハ(株)です。

パミール屋根は、1996年に本格販売開始(約25,000棟/年)

        2009年に販売中止

13年間で撤退した屋根材です。(約300,000棟(推定)のパミール屋根が存在する)

販売エリアは関東・中部・関西・中国・四国まで。

当時はアスベストが入っていない化粧スレートということで、

大手ハウスメーカーさんも含め、数多くの工務店さんが採用した屋根材です。

 

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上は当時の建築雑誌の広告です。

 「美しく・強く。」という文字を見るとだまされた~と思う方も多いと思います。

 

パミール屋根の特徴は?

 

パミール屋根のメンテナンス方法を考える上で、パミール屋根材の特徴を理解しておかなければ、2次被害の可能性もあります。

とにかく、パミール屋根は他の屋根材にはない、特殊な材質となっていますので、要注意です。

 

石綿

 

特徴はなんと言ってもアスベストが入っていないことです。

これはメンテナンスする上では、アスベスト対策を行わなくてもいいので、助かります。

アスベスト繊維の代わりにパルプ繊維等が使用されていました。

パルプは軽量化、踏み割れ防止には効果があるのですが、水分を吸いやすい特徴があります。

この吸水性(きゅうすい)がパミール劣化を引き起こした悪の根源です。 

メンテナンスする上でも要注意!!

パミールの「パ」はパルプの「パ」から由来しているらしい・・・(根本的にダメ)

 

湿式製法

 

同じ化粧スレートであるカラーベスト・コロニアルとの違いは製造方法。

カラーベストは乾式製法。

一方、パミールは湿式製法(抄造法)、この違いが2つ目の問題点。

 

抄造法(しょうぞうほう)・・・和紙を造るように、紙すきの製法で数層に重ね上げて成形。

 

その後、プレス成形されていますが、この層は素材の中に残存する。

パミールが層状にはがれる要因となる。

化粧スレート屋根材は数社生産していましたが、現在はKMEW(ケイミュー)1社だけです。

KMEW以外はすべて湿式製法だったので、化粧スレートの湿式製法は無理があったと言われています。

 

パミールの悪の根源

 

★吸水率が高い(わかりやすく言うとスポンジ)(通常10%程度、24時間で24%程度)

 吸水率とは、水分の含みやすさを表す。

 JIS規格では、28%以下となっている。(規格内であるが、劣化の最大原因である。) 

 

★層状構造(ミルフィーユ構造)

 劣化が進むと層状間に水分を吸い込むために、加速的に劣化が進む。

 

★塗装が弱い

 表面塗装の紫外線劣化が早い。

 裏面塗装がカラーベストに比べて、出荷時から乏しいので、パミールの重なり部分の裏面から水分を吸いやすい。

 

★★パミール屋根はスポンジのように水分を含んでいるのでご注意ください★★

 

 

パミール屋根の劣化状況!

 

代表的な築10年経過したパミール屋根の劣化状況は以下の通りです。

 

初期はどうだったのか?

 

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同じ物件の玄関上はほとんど劣化していなかった。

パミールの新築当初は、こんな感じ。(カラーベストみたい。)

なぜ、劣化していないかというと日射、放射冷却(ほうしゃれいきゃく)を受けにくい場所だったからです。

 

一方、大屋根を見てみると悲惨です・・・

 

層状剥離(そうじょうはくり)

 

大屋根(2階屋根)を見てみると著しくパミール屋根が劣化している。

屋根の方角(日射、放射冷却の影響)によって、はがれ具合が異なっています。

 

★東・南・西面・・・表面が小さくはがれている。

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★北面・・・基材自体がなくなるほど、はがれが進んでいる。

さわるとかさぶたのように、ポロポロめくれる。

 

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同じ物件で、同じパミール屋根で、こんなに違っています。

メンテナンスするときには、この現象を理解しておく必要があります。

 

 

メンテナンス方法は? 

 

化粧スレート屋根(カラーベスト)の10年目のメンテナンス方法としては再塗装となります。

それでは、パミール屋根ではどうか?

パミール屋根の経年後の状態も考慮しますと・・・

 

再塗装・・・✖ NG

 

再塗装はできません。

再塗装の品質としては、屋根材表面との密着性が重要となります。

そのため、パミール屋根表面を高圧洗浄できれいする必要があります。

しかし、手で触ってもボロボロとはがれる強度しかないので、洗浄することができないのです。

洗浄せずに再塗装しても1,2年も持ちません。

 

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結果、再塗装はNGです!!

 

 

つづいて、安価に補修する方法として、カバー工法があります。

よくネットでも出ていると思いますが、果たして大丈夫なのか・・・

 

カバー工法・・・アスファルトシングル葺き ▲お勧めできない 

 

まず、カバー工法のアスファルトシングル葺きについて。 (▲お勧めできない) 

現状のパミール屋根は水分が含んだ状態となっている。

屋根の大きさが100㎡の場合(普通の住宅イメージ)、どれぐらいパミール屋根材が水分を吸っているか・・・

答・・・約200kgにもなります。

 

カバー工法では、パミール屋根にルーフィング(防水紙)をかぶせて、その上にアスファルトシングルを葺く。

つまり、水分を含んだスポンジを防水紙で覆って、アスファルトシングルでカバーすることになる。

結果、パミール屋根は乾燥せず、水分は残ったままとなる。

そのパミール屋根の中をアスファルトシングルを留めるビスが貫通するので、2次被害の危険もある。

パミール釘はこの水分で著しい錆が発生しているので、同じリスクとなる。)

安価だからと言っても、正直、お勧めはできません。

 

次回メンテナンス時期・・・10~15年後 

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カバー工法・・・金属横葺 ▲お勧めできない

 

カバー工法の金属横葺について。 (▲お勧めできない)

しくみはアスファルトシングルと同じで、パミール屋根が乾燥しない。

カラーベストのカバー工法なら、カラーベストの水分は問題にならない程度です。

しかし、パミール屋根の水分は本当に侮れないですよ。

金属屋根を留め付けるビスがステンレスとは言え・・・。

それでも、心配は残ります。

 

次回メンテナンス時期・・・10~15年後  

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それでは、どうやってメンテナンスするの?

葺き替えをしましょう!

 

葺き替え・・・コロニアルグラッサ 〇 OK    

 

パミール屋根をはがしての葺き替えについて。(〇お勧め)

既存パミール屋根をはがして、新品の化粧スレート・コロニアルグラッサに葺き替える。

費用、デザイン、性能的にはバランスがいい。

通常のコロニアルクァッドは安価ですが、再塗装が10年後に必要となるので、お勧めできません。(もう、屋根メンテナンスにお金を掛けたくないですよね・・・)

 

 次回メンテナンス時期・・・20~30年後

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葺き替え・・・高耐久の金属横葺 〇 OK

 

パミール屋根をはがしての葺き替えについて。(〇お勧め)

既存パミール屋根をはがして、新品の金属横葺に変える。

できれば、グレードの高い塗膜がお勧め。(フッ素塗膜など)

これ以上、屋根にメンテナンス費を掛けたくないですよね!

 次回メンテナンス時期・・・20~30年後   

 

 

葺き替え・・・瓦  △ 微妙

 

 重量が重くなるので、躯体の確認が必要。(△ 微妙)

一度、瓦にすればメンテナンスの心配はありませんが・・・

また、屋根・建物形状が複雑ですと、各取り合いの納まり検討が必要となります。

 

 次回メンテナンス時期・・・30~50年後  

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葺き替え・・・ ルーガ(樹脂セメント屋根材) △ 微妙 

 

ルーガなど厚形のセメント屋根材は重量的には問題ない。

耐久性も問題ないとメーカーは言っていますが、パミールの件もありますので、10年程度の新材料は、やめておいた方が賢明かも?

 

次回メンテナンス時期・・・20~30年後??        

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【まとめ】 パミール屋根のメンテナンス・・・安心・高耐久な屋根に葺き替えよう!

 

パミール屋根はスポンジのように水分を含む特徴の屋根材である。

・その水分により、パミール表面の層状剥離や釘の腐食を引き起こしている。

・カバー工法のメンテナンスはお勧めできない。

パミール屋根をはがして、新しい屋根材を葺こう!

・新しい屋根材は、安心・高耐久な屋根を選ぼう!

・今後のメンテナンス費を確認して、屋根材を選ぼう!

 

次こそはだまされないでくださいね~!

 

 

愛知でお困りの方は、ご相談くださいね~! 

 

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創業1868年(慶応4年)三州瓦製造・販売・工事 

住宅調査・雨漏り調査  (株)神清(かみせい)

f:id:capuriclub:20160615183549j:plain 神谷 昭範(かみやあきのり)です

【趣味】旅行、野球観戦、自転車、スイーツ食べ

【資格】二級建築施工管理技士

    (JSHI)(住管協)ホームインスペクター

    住宅メンテナンス診断士

    赤外線建物診断技能師/気密測定技能者 

    石綿作業主任者 

    しろあり防除施工士   

(株)神清ホームページ:http://www.kamisei.co.jp

雨漏りホームドクターhttp://www.kamisei.co.jp/amamori/

所在地:愛知県半田市高浜市

フリーダイヤル:0120-951-890

調査場所:名古屋市安城刈谷・岡崎・豊田・三河・知多

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